殻つきのものは重みのある新鮮なものを、むき身の場合は一粒がむっちりと
ふくらんだ灰色がかかった乳白色をし、つやのあるものが新鮮です。
緑の黒みが鮮やかなものが良質、貝柱が黄色いものは古くなっている。
カキの繁殖期には生殖が行われるのであるから、オスとメスが存在します。
ところが生殖をすべて終了する冬期になるとオスとメスの区別がつかなくなります。つまり中性になってしまうのです。
次の繁殖期を迎えると、中性のカキはオス、メスどちらかの性になり再び生殖を行います。
おもしろいのはそれぞれの個体によって、年によってオスになるかメスになるか分からないところです。
カキの雌雄を決定する要因は、前の年の栄養の摂取具合です。栄養をたっぷりと取ったカキは、生殖細胞が卵子となり、メスになります。エサに恵まれなかったり、捕食がヘタなため栄養不足に陥ると、オスになります。
若いカキは、捕食法が下手なためにオスになる可能性が高いようです。
カキを”牡蠣”と書きますが、”蠣”だけでもカキの意味です。
わざわざ牡(オス)の字をつけているのは、性転換のためオスだけの時期があるためか、環境の悪いところで育った栄養不足のカキや産卵後のものではオスの性が強くなるためといわれています。
このため場所や時期によってはカキはオスだけになり、それが勘違いの元になっているようです。
岡山市場に入荷するものは、県内産のものが95%を占め、牛窓産のものが
主力です。
その他に寄島、頭島、虫明、日生などが県内の産地としてあります。
旬は、10月~2月まで。春から夏にかけて産卵する。
「Rのつかない月は食べるな。」、「花見が過ぎたらカキを食べるな。」
といわれます。
その理由は、カキはこのころが繁殖期で、生殖巣が熟しきり、
身の鮮度が落ちやすく、そのために中毒にかかる危険性も高いからです。
カキは、「海のミルク」と言われるぐらい、栄養価が豊富です。
肝臓の働きを助けるグリコーゲンが豊富なほかコレステロールを減らす役目もあり、
子供の発育に必要な亜鉛分も貝類の中では一番多い。
「本朝食鑑」の中でも「心を涼しくし、肝を滋し、脾臓のうつ熱を去り、汗を止め、渇を止め、
腹下しをととのえ、酒毒を欠くし、婦人の血気を収める。
長らく食べていると顔色を美しくする。」
いいこと尽くめの効能を上げている