FISHES

[ 市場で扱う魚 ]

マイワシ

夏が旬 秋が旬
真鰯 Japanese sardine ニシン目ニシン科

目利き

うろこが落ちやすいので、うろこの有無を見るよりも、身がピンと張っていてまるまると太っているものを選びましょう。
背の青みに光沢があり、体にある黒い斑点が鮮やかなものが良いでしょう。
身に比べて頭が小さく見え、腹が太っているものが美味しいですよ。


名前の由来

小心物で群れて泳ぎ、水揚げするとすぐ死に腐りやすいので弱弱しい魚ゆえに
”よわし”に由来し和製漢語を「鰯」に造ったと言う説。
それとありふれたつまらない小魚、すなわち”いやしき”魚から転じたと言う説がある。

平安時代の特権階級は、美味でも一般の大衆が食うから下賎な魚として
食膳にのせなかったともある。


特徴

イワシは暖流に乗って、冬は日本の南の方、夏には北の方へと大群となって回遊している。
イワシは、「食物連鎖」の底辺を支えている魚で「海の牧草」とも呼ばれている。

イワシの仲間には
写真に出ている「マイワシ」。
目が潤んでいるので「ウルメイワシ」。
35mmぐらいの時「シラス」と呼ばれる。
”イリコ”など出汁にするのが、「カタクチイワシ」
イタリア料理などでおなじみの”アンチョビー”は、カタクチイワシの仲間です。



マイワシの特徴に、体側に一列または
二列の黒点がある。
マイワシは、七つほどの斑点を持つので、
七つ星とも呼ばれる。


効能

イワシには、「EPA」(エイコサペンタエン酸)と言う不飽和脂肪酸の一種が豊富に含まれているので心臓病や成人病予防に効果があります。
カルシウムも特に多く、またカルシウムの吸収を助ける”ビタミンD”も多い。
まさに至れり尽せりの健康食品である。


逸話

かの有名な「紫式部」が言わし好きという事から、こんな一説もある。
紫式部の亭主(藤原保昌)が「むげにいやしきものを好み給うかな」とたしなめた。

しかし式部は、「日の本にはやらせ給う岩清水 詣らぬ人はあらじと思う」
と歌で反抗したと。

歌の内容は、”イワシ”と”岩清水神社”をかけたもので
日本人ならイワシが好きなのは当たり前でしょと言う意味。
イワシの肩を持ったと言うわけだ。


産地

脂がのりはじめる初夏からで、本格的には秋から冬にかけてが充分に脂がのって最高。

大羽:18cm以上のもの
中羽:12~18cmのもの
小羽:6~12cmのもの


旬時期


その他

イワシ特にマイワシの漁獲量は、過去に大きく変動している。
その原因として二つの大きな説がある。

一つは、海況の変化により、再生産に失敗したか
回遊経路に変化が生じ漁獲されにくくなったとする環境の変化による説。

もう一つは、人為的乱獲による資源の枯渇です。

「本朝食鑑」にも「四方の海であるといえばありあまるほど盛んに獲れ、ないといえば
これ全く獲れない。」とあり、漁獲量には波があるようです。

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