“ぬめりの多いものが新鮮です。
今店頭に並んでいるものはほとんどが「養殖物」です。
「神功皇后が三韓征伐のとき肥前松浦の玉島の里で戦運を占って釣りざおをあげると、細鱗魚(あゆ)が獲れた。」云々とあり、
また神武天皇が大和侵攻の際、武運を占ったところ、悪霊の啓示ででアユが水面に出てきたと言う神話などから「魚」へんに「占」の字源になったようだ。
アユは、「年魚」と言って一年で一生を終える。
3・4月の体長は、柳の葉ぐらいであるが(柳っ葉とも言われている。)、5・6月になると
大きな物は、4・5寸になり、7・8月には8・9寸から一尺にもなる。
腹に子をいっぱい持っている時は、背に白斑ができ、皮がただれたようになっていて「錆鮎」(さびあゆ)と呼ばれている。
これは魚が老い衰えたのである。
産卵場を求めて川を下るのが「落ち鮎」です。
最初の産卵後に死亡してしまいますが、水温が高い河川では、
生き延びる個体もわずかにあり、これを”フルセ”と呼びます。
サケの仲間の特徴でもある「脂ビレ」があります。
アユにはカルシウムが多く含まれていますが、同時にほろ苦い内臓には、
ビタミンBも豊富で、丸ごと食べれば歯や骨を丈夫にするのに役立ちます。
養殖アユには、老化の進行を抑制し、生殖機能を高める働きをする
ビタミンEが、魚類中では最も多く含まれているのも特徴です。
天然アユには、脂肪の含有量が少ない、養殖アユの場合は、天然アユの2倍から3倍含まれています。
友釣り、ドブ釣り、鵜飼、”本朝食鑑”には「汲み鮎」という漁も紹介されている。
石狩川の南から本州四国九州などほぼ日本全国の川に住むが、清流の上流の物が
最高と言われています。
中でも熊本の球磨川、大分の日田川、
四国徳島の吉野川や高知の四万十川、
さらに岡山の高梁川、和歌山の有田川、日高川、奈良の吉野川、
京都の保津川、岐阜の長良川(鵜飼)、
静岡の狩野川、
神奈川の酒匂川などが有名です。
上と下のどちらが”天然もの”でしょうか?
答えはどちらも”養殖もの”です。
上側は、”天然仕立て”というそうです。