「イサキの生き腐れ」と言われるように新鮮なものでも目はくもっている。
選ぶなら腹に張りのあるもの。漂白されたようなぼやけた色のものは、
避けるように。
これが「イサキの生き腐れ」です。
やっぱり目はくもっていますね。
イサキ”でも”イサギ”でもどちらでも良い。「イサ」は”磯”、「キ、ギ」は魚を意味する古代の接尾語だそうです。
表題でも”鶏魚”と書いたように立派な背びれをニワトリのトサカに見立てたから
だそうです。
英名では、”Threeline grunt”,”chikin grunt”とありどちらにも”gurant”がつきます。
この”gurant”の意味は、「ブーブーと鳴く音」とあります。
でイサキがブーブーと鳴くかと言いますと鳴きません。
これは近縁種の”シマイサキ”がウキブクロを収縮させて鳴く音からきています。
外人はこの辺を混同しているみたいです。
「鍛冶屋殺し」という異名がありますが、これはその昔和歌山で「イサキの骨がのどに刺さって取れず、
苦しんだあげく死んだ鍛冶屋がいた」という所からだそうです。
骨が硬い所から来るのかなとも思っているのですが。
“イサキは、6~50cmの海藻の多い岩礁を好み内湾には、入ってきません。
幼魚のころは、黄色い縞模様があらわれ「ウリンボウ」(イノシシの子)と呼ばれるのもこのためです。
イサキは目がくもっているが、夜行性のため視力は非常に良いです。
また比較的嗅覚も鋭いです。
名前の由来でも言った「シマイサキ」ですが、これはイサキとは全く別の科の魚です。
イサキの仲間は、ヒゲダイ、コショウダイ、セトダイ、コロダイなどです。
なぜかどれもイサキとは似ても似つかぬ姿です。
「ウリンボウ」と言われる所以の縞模様です。
幼魚の頃から現れ始め、年をとると灰褐色の地味な装いになっていくみたいです。”
“5月から7月までが大体の旬です。
旬の時期のイサキは、鯛、スズキよりもおいしくて値段が安いのがとりえです。”