少しは良くなったのですが、まだまだでした。そこで思いついたのは、
「漁師さん個人個人(漁船ごと)で扱うようにしてはどうか。(請求金額等)
という案でした。
これだと「大事に扱えば高い値がつき、自分の儲けになる。」という競争心
がつきます。
これでかなり良くなってきたそうです。
しかしまだ今のような状態ではありませんでした。

釣り上げたサワラは箱に入れ、氷をまきます。
当時、木箱から発泡スチロールに変えた為、サワラと発泡スチロールが
くっついている部分は熱が”こもる”ようになり、鮮度が落ちてしまいます。

鮮度落ちが早いサワラというのは、日持ちがしません。何度も言いますが、
岡山ではサワラを刺身で食べます。日持ちがしないサワラは、「セリで安く競り落
としてしまえ。」という事になり良い値がつきません。

これを避けるために「サワラと箱の間に”紙”を1枚入れろ。」という指示でした。
紙を1枚入れることによって浸透圧の関係で、紙に氷から溶けた冷水がしみ、
熱を持っていたところも他と同じように冷えるので日持ちがするようになりました。
これは産地の漁師さん達が岡山市場へ来られた際に実際に現物を見せたそうです。

これによって今と同じ質の良いサワラが出回るようになったのです。

最後にこちらで指導はしましたが、現地の漁師さん達の努力なしでは
今のような良質なサワラが入荷することはありません。
冬場に安くて良質な寒鰆が食べられるのは、この地方の漁師さんたち
のおかげなのです。

めでたし めでたし


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