サワラと言えば、”魚”へんに”春”と書き瀬戸内では春を告げる魚とされてきました。 しかし近年ではサワラが春を告げる魚ではなくなってきました。 今や漁獲量は最盛期の100分の1以下(年に数トン)の漁獲量しかありません。 漁法のページでも紹介した「魚島」という言葉も死語になってきました。
サワラが瀬戸内にやってくるのは、産卵のためです。 その産卵にやって来たサワラを獲るのですから減少するのも当然かもしれません。 しかし一番の影響は、サワラの”えさ”の減少でしょう。 ”えさ”の減少は、瀬戸内海の開発が進む事と、一方で瀬戸内海の海砂を採る ことでサワラの”えさ”の「住みか」が減ってしまうからです。 それともう一つ、海砂を採る事でサワラの産卵場所の環境が悪くなっている事です。 (海砂を採ることは、広島、兵庫県、徳島県ではすでに禁止されています。 岡山県は今年、平成15年4月から禁止、平成17年度4月から香川県も禁止。 愛媛県ではまだ禁止されていません。) サワラだけに限って言うなら「禁漁期間」のようなものを設ける必要が あるかもしれません。 サワラの消費量が多いのに獲れないという現実です。 ただし、近年、1999年頃を底に漁獲量が少しずつ回復している兆しが見られます。 この回復の背景には、漁業関係者による漁獲規制や資源管理、さらには種苗放流といった積極的な取り組みがあるとされています。 こうした努力が徐々に成果を上げつつあり、2019年には136トンまで回復しています。 もし私達が、これからも瀬戸内の美味しいサワラを食べ続けたいと思うなら もっと瀬戸内海の環境に目を向ける必要があるでしょう。 どんなに月日が経とうと、昔食べたあの味は忘れたくないものです。 瀬戸内の幸 サワラへ感謝! |
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